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高血圧は冬場に注意

高血圧


冬場に多い血圧の急上昇
 暖房のきいた温かい部屋から出た途端、ブルッと身震いすることがあります。ときにはフラッとめまいがし、スーッと血の気が引くようなイヤな感じを伴うことも。これは急激に血圧が上昇したためのヒートショックです。
 血圧とは、平たくいえば心臓から流れ出た血液が動脈の壁を押す力。心臓が多量の血液を押し出そうとしたり、また、動脈がつまって細くなっていたり、血液がドロドロして流れにくい状態だったりすると、それだけ血圧は高くなります。
 寒さで急に血圧が上昇するのは、寒さにより血管が収縮して細くなったところに、心臓がモーレツな勢いで血液を押し流そうとするからです。いったい、この血流の勢いはどのくらいなのか、ご存知ですか? 例えば血圧が120oHgとすると、それは、血流が水銀を120o噴き上げる力があるということです。ただ、水銀は水の13倍の重さがあるので、これを水に換算してみると、水を1560o(1m56p)の高さまで噴き上げる勢いが血流にあるというわけです。


元気な人が突然倒れる
 健康診断などで「血圧が高い。これといった症状がないからと放置しておくと、今後が怖いよ」などといわれることがあります。なぜ、血圧が高いのは怖いことなのでしょう。
 それは、高血圧の状態のまま放っておくと、脳や心臓、腎臓など生命を維持する大切な臓器の病気と合併しやすいからです。脳出血や心筋梗塞などの、もっとも大きな原因が高血圧なのです。
 年齢を重ねるにつれ上昇していく血圧は、数年前までは、年齢プラス100であれば正常といわれていました。ところが最近、WHOの高血圧ガイドラインでは正常血圧は最高(収縮期)血圧が130oHg以下、最低(拡張期)血圧が85oHg未満とされ、最適血圧は上が120oHg以下、下が80oHg未満と変更されたのです。したがって、「血圧が135だから、問題はない」などと思っていると、「血圧に注意」と医療機関から指摘され、最適血圧に近づけるべく、生活改善を指導されます。
「この基準値、少し厳しすぎるのでは」という印象を抱くかもしれません。実は血圧が高くても、はっきりした症状はないため、例えば日ごろ元気で活動的な人が、ある日、突然、脳出血や心筋梗塞を起こしてしまうことが少なくないのです。高血圧がサイレントキラーと呼ばれるゆえんです。
 しかも、血圧は、その気になれば、生活習慣を変えることによってコントロールすることができ、合併症を回避することができます。厳しいガイドラインは、注意を喚起するためでもあるのです。


家庭用血圧計でチェック
 血圧は、夜より日中のほうが高く、運動したり活動したりすれば高くなり、緊張すればぐんと跳ね上がり……と、非常に変動しやすいものです。しかも、病院などで測定すると、血圧値が高く出る人は少なくありません。これを「白衣性高血圧」といいます。病院や健康診断で血圧が高いといわれた人は、正しい血圧値を知るためにも、念のため自宅でも血圧を測るとよいでしょう。最近はさまざまなタイプの家庭用血圧計が売られています。
 血圧は朝晩2回、朝食前と夕食前などと時間を決めて測ります。測定前に深呼吸をして、3分間以上安静な状態を保ちましょう。


第一は生活習慣の改善
 いつ測っても血圧が高い状態を高血圧といいます。この原因は体質や加齢のほか、せっかちでがんばりやの性格、血管を細くする動脈硬化ととなり合わせの肥満、血液の増量を促す過剰な塩分、血管を収縮させる心身のストレスや寒さなどがあげられます。
 血圧を下げるには、何か特別な治療をするのではなく、これまでの生活習慣を見直して、健全なライフスタイルに改善することが第一です。この見直しの中心になる項目が、肥満解消、運動、減塩、禁煙、飲酒の制限です。
 肥満気味の人は、毎日30分から1時間のウオーキングを日課にし、まめに体を動かすこと。食生活は塩分を10g以下の薄味にして、不足しがちな野菜をたっぷりとること、アルコールはワインならグラス2〜3杯、ビールは中1本、日本酒は1合程度にし、タバコは控えましょう。また、肥満度チェックのBMI(体重〈kg〉÷身長〈m〉÷身長〈m〉)が21から25の範囲になるように調整します。そのほか、浴室、トイレなど寒いところには暖房を入れたり、十分に睡眠をとって心身のストレスを軽減できるなどの工夫をしましょう。こうして生活を改善しても血圧が下がらないなら、このときはじめて降圧剤で血圧を調整していきます。